雑誌『週刊プレイボーイ』で連載中の、対談コラム「なんかヘンだよね」
ホリエモンとひろゆき氏が、ニッポンの“ヘン”を語り尽くします。
今週のテーマは、「引きこもり」について。
今、注目の「引きこもり」問題。二人が考える対応策とは?
(イラスト:西アズナブル)
ひろ 農林水産省の元事務次官が息子を殺害した事件や、川崎市で20人が殺傷された事件など、最近は中高年の「引きこもり」に注目が集まっていますよね。
ホリ 引きこもりって昔から問題視されてるけど、「別に引きこもりでもいいよね」って、社会が認めてあげればいいだけだと思うな。
ひろ とはいえ、親としては不安みたいで、中高年で引きこもっている子を持つ親からの相談件数が増えているみたいですよ。
ホリ そもそも、今の義務教育の仕組みが良くないんだよ。だって、同じ年齢・同じ土地の「同質性」が重んじられるコミュニティに縛りつけて、実質逃げ場がない状態。で、そこからドロップアウトしようものなら、なんか「人間として失格」みたいな雰囲気が社会にはある。
ひろ しかも、どんなコミュニティに入っても、そのほとんどで何かしらの仲間外れやイジメはあるわけですしね。
ホリ そう。で、結果的に馴染めなくて義務教育のレールから脱落した気分になると、自己肯定ができずに引きこもりになるってのもある。だからこそ、まずは社会的に「引きこもりでもいいんだ」という雰囲気作りをしないといけないんだよ。
ひろ 本人的には社会に戻りたいと考えていたりしても、その疎外感から輪に入れなくて結果的に鬱になるパターンもありますよね。
ホリ まあ、これからの時代であれば、教育システムの改革で解決できることもあるとは思うんだけど、すでに引きこもりになっている人だと、どうにもならないよね。
ひろ 実際問題、引きこもりを10年やっている人に「自力で社会に戻れ」と言っても、まず無理ですよね。
ホリ うん。
ひろ んで、日本って子どもが何かやらかすと「20歳過ぎてても、親にも責任ある」みたいな文化があるじゃないですか。そうやって居場所もなく、社会や身内からも「早く死んでくれねーかなぁ」って思われているような人が、自分は頑張りたいのに受け入れてもらえないために「社会を壊して死んでやる!」って思ったとしても、驚くことじゃないと思うんですよ。
ホリ 「失うものが何もない」と考えているような人は、とんでもない行動に出る可能性がないとは言えないからね。「親世代に養ってもらえないなら死ぬ」みたいな。
ひろ さらに「老後30年間で年金以外に生活費が夫婦で約2000万円必要」と金融庁が言っちゃったりする。これって「社会システムを維持できない」って認めてるようなもんですよ。
ホリ 引きこもりには、より生きづらい世の中になるね。
ひろ ですね。そうなると、引きこもりがますます社会に出るチャンスを失って、引きこもりの人数がどんどん増えていく。いまの日本の状況を見てもこの予想を否定できる理由って見つからないんです。中高年引きこもり100万人時代とかすぐなんじゃないすかね。
ホリ だったら、引きこもりで社会や仕事を回せるようにすれば良いんだよ。在宅でできるような仕事もあると思うし。
(この続きは、現在発売中の『週刊プレイボーイ』でお楽しみください)