雑誌『週刊プレイボーイ』で連載中の、対談コラム「なんかヘンだよね」
ホリエモンとひろゆき氏が、ニッポンの“ヘン”を語り尽くします。
今週のテーマは、「日本酒」について。
うまい日本酒がたくさんあるのになぜ世界で流通しないのか?
(イラスト:西アズナブル)
ひろ いつもはLINE上でやっているこの対談ですけど、久しぶりに堀江さんに会ってトークしています(笑)。
ホリ ひろゆきに「ホリエモングルメ祭in大阪」に来てもらってるんだけど、テーマがグルメなので、日本酒を飲みながらの対談になってる(笑)。
ひろ この日本酒、うまいっすね。
ホリ 和歌山県の『平和酒造』のやつね。
ひろ 僕、『すず音』というスパークリングの日本酒が好きなんですけど、それよりうまいっす。そういえば、日本酒って最近あまり売れてないらしいですね。
ホリ でも、売り上げが落ちているのは、いわゆるカップ酒だよ。
ひろ たしかに、おっちゃんたちが駅前で飲んでる光景を見なくなりましたよね。昭和の時代はよく見ましたけど。
ホリ その一因といわれているのが、ハイボールや安いワインが出てきて酒が多様化していること。
ひろ ってことは、ちゃんとした日本酒は売れてるんですか?
ホリ 海外ではめちゃくちゃ売れてるし、評価もめっちゃ高いよ。多くの日本人は、日本酒っていうだけで、あのカップ酒をイメージしてしまう。でも、海外の人はそういうイメージがないから、一口飲めば「エクセレント!」ってなるわけよ。
ひろ 僕、フランスに住んでいて、たまに日本酒フェアに行くんですけど、日本酒ってフランスの食通の人は知っているけど、一般の人にはまだ届いていないイメージです。んで、その原因はたぶん一升瓶だと思ってるんですよ。
ホリ 何で?
ひろ ヨーロッパでは、ワインを流通させるための流通網と保管するためのセラーという仕組みが整っています。でも、一升瓶に入った日本酒を冷やしたまま流通させる仕組みはないんですよ。だから、ワインのボトルと同じ形にすれば、ワインの流通網に乗せられるのでもっと売れると思うんです。
ホリ いや、ぶっちゃけ難しいと思うよ。日本酒ってもっと低温貯蔵しなきゃいけないから、ワインの流通網ではダメなんだよ。
ひろ へー。ワインと同じ温度じゃダメなんすね。
ホリ そう。ガチで日本酒を普及させていくには、店舗の冷蔵庫から改革していかないといけない。
ひろ それは相当なコストがかかっちゃいますね。
ホリ でも、今、サッカー元日本代表の中田英寿さんとかは、日本酒を世界に売り込もうとがんばってるよ。会社を設立して、日本酒や日本の伝統工芸の発信に力を入れている。例えば、『N』という自分の日本酒ブランドを作ったり、『CRAFT SAKE WEEK』っていう日本酒のテイスティングイベントを開催したり。
ひろ でも、いいものやおいしいものをいくら作っても、それが流通しないと意味ないっすよね。
ホリ だから中田さんが一番力を入れているのが流通なの。0度まで冷蔵できたり、マイナス5度とかで保存できる氷温冷蔵庫があるんだよ。その冷蔵庫を入れてくれた飲食店には「十四代」を特別に卸すことをしている。「十四代」って人気があり過ぎてなかなか仕入れられないから、わざわざ冷蔵庫を導入するインセンティブにはなる。要は、いい日本酒を餌にして、まずは日本料理店を攻めて物流を整えようとしているわけだ。
ひろ それ、めっちゃ大変そうっすね。
(この続きは、現在発売中の『週刊プレイボーイ』でお楽しみください)