雑誌『週刊プレイボーイ』で連載中の、対談コラム「なんかヘンだよね」
ホリエモンとひろゆき氏が、ニッポンの“ヘン”を語り尽くします。
今週のテーマは、「富裕層の納税問題」について。
またもやZOZO前澤社長、炎上! 富裕層の納税問題をどう考える?
(イラスト:西アズナブル)
ホリ ZOZOの前澤友作社長のツイートがまた炎上してるね。今度は納税額を書いたツイートに噛みつかれたみたい。
ひろ 2018年度は70億円納める予定ってやつですね。そんな高額納税者な前澤さんに対して、貧困問題に取り組む人が「末端の労働者はどれだけ所得が低く苦しんでいるか、少し想像してくれる人が増えるとありがたい」って言ったとか。
ホリ まだ、金持ち批判をやってんだね(笑)。
ひろ 所得税の負担率で年所得が1億円を超えると低くなっていくというデータも出しているみたいで、5000万円~1億円で税率は28・7%。それ以降は低くなって100億円超になると17%になるらしいです。でも、割合は低くても払っている額って莫大なわけですよね。もし、富裕層叩きが加速して資産だけ持って稼がなくなると、それこそ税収は下がっちゃうのに。それだったら税金を納めてもらったほうが良いと思うんです。
ホリ 「富裕層からもっと税金を取れ問題」は、相変わらずだね。
ひろ えぇ。批判しているような内容を根本的に解決したいなら、資本主義と民主主義をやめるしかないんですよね。
ホリ ってか、そんなに資本家に対して不平不満があったり、嫉妬するくらいなら、自分が資本家になればいいんだよ。トマ・ピケティ教授の調査が事実として広まったけど、彼の主張って超ざっくり言うと「経済成長による所得アップよりも、資産運用のほうが上回る。だから資本主義だと格差が広がる」ってことなんだよ。
ひろ ええ。だから資本主義と民主主義でいる限り、資本家が得をする構造は変えようがないんです。極端ですけど、ペストのように疫病が猛威を振るって人口の3割が死んじゃうとか、世界大戦が起きて壊滅状態とかでもない限り、労働者がいくら頑張っても資本家のほうが得するルールですから。んで、一定数の政治家は寄付金をくれる業界団体の利益代表なわけで、利益のある団体が政治をコントロールできる。つまり、資本家が有利なルールを覆すには、貧乏な人たちが、金持ちよりも多く献金するか、共産党に投票するしかない。
ホリ 結局、「自分は資本家にはなれない」って思っているんだろうな。身分制度があって資本家にはなれない状況ならまだしも、今は誰でもなれるし、よりなりやすい時代じゃん。
ひろ 経営者が優遇されていると思うなら、自分がその立場になればいい。例えば、特定の職種が恵まれていると、その職種になる人が増えるってわりと普通のことですよね。IT系の給料が高いってことで、ここ10年ぐらいIT系を志望する若い人が増えたとか、まさにそれです。
ホリ 思考停止してるんだろうな。なのに批判する声だけは大きい。
ひろ 文句を言っていれば、誰かが良きに計らってくれるって思考の人は多いですからね。
ホリ いくら伝えようとしても感情論になっちゃうから、このへんの話は伝わらないんだよなー。
ひろ 論理的に考えたり、長期的に見てどういう結果になるかとか想像しているわけじゃないと思うんですよ。「金持ちを叩きたい」が先にあるので、議論すること自体が難しいんじゃないかと。「自分の給料が低いのは、金持ちが搾取してるせいだ!」みたいな考えじゃないすかね。
ホリ 困ったもんだ。経営者や起業家がいなかったら、雇用が生まれないから、もっと給料は下がるのにね。
(この続きは、現在発売中の「週刊プレイボーイ」でお楽しみください)