雑誌『週刊プレイボーイ』で連載中の、対談コラム「なんかヘンだよね」
ホリエモンとひろゆき氏が、ニッポンの“ヘン”を語り尽くします。
今週のテーマは、「AbemaTV」について。
赤字の「AbemaTV」がネット動画を続ける理由とは?

(イラスト:西アズナブル)
前回「自前のインフラを持つくらいなら、YouTubeなど既存のプラットフォームを利用したほうがいい」。AbemaTVの現状を見てそう結論づけた二人だが、それでもAbemaTVは継続されるだろうと予測する。そこに存在するヘンな理由とは?
ホリ 結局、動画サービスは自前でインフラを持たなくても、YouTubeとかの無料プラットフォームを利用すればいいんだよ。
ひろ ええ。現状のやり方だけを見ているとAbemaTVはキツいでしょうね。でも、僕的にはAbemaTVの運営に携わっているサイバーエージェントは得をする可能性もあると思っています。
ホリ ん? どういうこと?
ひろ サイバーエージェントの藤田晋社長によると、サーバもデータベースもクラウドを使っているから安く済むって話ですけど、そうはいってもある程度の費用はかかるわけです。んで、インフラへの投資って、保険に例えると掛け捨てタイプなんです。
ホリ だね。反対にコンテンツは回収しようと思ったら、いろんな方法がある。じゃあ、Abemaは今後、コンテンツで回収していくって話?
ひろ いや、タッグを組んでいるテレビ朝日からの信頼を得るっていうことです。
ホリ それがどう繋がるの?
ひろ 人間が信用されるときのパターンって「一緒に成功するとき」だけじゃなくて、実は「一緒に失敗するとき」もあるんですよ。んで、Abemaは、すでにすごい損をしているじゃないですか。それでも愚直に続けていることで、テレ朝の人から「サイバーエージェントは最後まで裏切らない。信用できる」という評価を受けることも考えられるわけです。
ホリ 「アイツは最後まで逃げなかった」的な?
ひろ はい。そうすると、テレ朝的には「自社の抱えるコンテンツを使ってネットでビジネスするときには、Abemaやサイバーエージェントに任せようとする」と思うんじゃないかと。
ホリ だろうね。昔はそのポジションをライブドアが担っていたんだけどね。テレビ局は魅力的なコンテンツをたくさん抱えているけど、ネット上でうまく使えてない。一方、IT企業からすればそういったコンテンツは喉から手が出るほどほしい。
ひろ しかも、テレビ局はコンテンツを作り続けていますからね。そんなテレビ局にくっついてるIT企業というポジションは結構おいしいと思うんですよ。んで、そのポジションのためだったら300億円くらい損しても長期的には回収できるって話です。逆に言えばAbema単独で黒字化することは相当難しいんじゃないかなと。
ホリ まあ、今後も赤字は続くだろうからね。
ひろ てか、そもそも単独で黒字化する気がないのかもしれないです。簡単に黒字にできるのならテレ朝は自前でやるでしょうし。
ホリ 他社も真似できるっちゃできるわけだし(笑)。
ひろ 他社というか、Abemaの社内エンジニアがテレ朝に転職しちゃうとそれで終了なような……。
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